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「Web2.0でビジネスが変わる」 ・・・ 使ってみよう [仕事]


Web 2.0でビジネスが変わる / 神田 敏晶
1.My Review Rank : ★★★☆☆ +
2.Published Data : ¥735, 240Page,ソフトバンク新書,’06/06
3.Review Point : 本書は、 「Web2.0を理解するには、『とにかくユーザになってみる』こと」 として、Web2.0の影響を受けるビジネスの実例を数多く挙げている.
 まず、著者は、Web2.0を以下の様に定義している.
第1の法則何時でも何処でも使える
 最初にプラットホーム有りきでコンテンツを考えるのではなく、サービスの目的に合わせて柔軟にプラットホーム(PC, 携帯電話, ゲーム機・・・)を選ぶ.
第2の法則「共有」から価値が見つかる
 情報(写真, 動画も含む)に「タグ(Tag)」を付け検索可能化すると、情報が共有化され、価値が高まる.
第3の法則企業主体からユーザ主体へ
 企業が、HPのトップ・ページを飾り立て、階層的に情報を配置するのは時代遅れ、何でも検索しダイレクトに情報を得ようとするユーザの立場になるべき.
第4の法則趣味は実益を兼ねる
 趣味や好きなことをビジネスに出来る仕組み作り・可能性が有る.
第5の法則マスとニッチの関係が変わる
 「80対20の法則」(売上げの8割は2割の商品から生まれる 等々)から「ロングテール現象」(8割のニッチがベスト・セラーに迫る)へ

 具体的なビジネスへの適用例は、本書で体験下さい(既に身近になっているものも多く有りますが).
4.Summary : Web2.0の真骨頂は、Webを使う事によるユーザの行動様式の変化に有ると言う( AIDMA から AISAS へ).

<AIDMA>
A:Attention
(注意) TVコマーシャル等で製品を知る ⇒ I:Interest (興味・関心) 興味を引かれる ⇒ D:Desire (欲求) 欲しくなる, M:Memory (記憶) パンフレット等を貰う ⇒ A:Action(行動) 購入する.
<AISAS>
A:Attention
(注意) ⇒ I:interest (興味・関心) ⇒ S:Search (検索・比較) ⇒ A:Action (行動) ⇒ S:Share (情報共有).


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「ダメな議論」 ・・・ 情報リテラシー [仕事]


ダメな議論 論理思考で見抜く / 飯田 泰之
1.My Review Rank : ★★★☆☆ + 5つのチェック・ポイント
2.Published Data : ¥714, 205Page,筑摩書房,’06/11
3.Review Point : 日々の洪水の様な情報の中から、「誤った」,「無用な」,「有害な」 ものを除外して、確率的に「正しい」,「有用な」ものを選択する考え方を示している.
 その手順は、以下の5つのチェック・ポイントからなる.

①単純なデータ観察で否定されないか
 ある主張が、単純なデータ観察と矛盾しているならば、それはまず間違い. 例えば、少年犯罪は、マスメディアの影響で 「近年、増加している」様な雰囲気が有るが、過去からの統計をキチンと見ると誤りだと解る(同様の話は、 「『ニート』」って言うな!」 にも有り(当Blogでの関連記事はこちら)).
②定義の誤解・失敗はないか
 定義を知らないまま或いは、曖昧にしたまま議論がなされる場合が多い. 特に経済用語は定義が難解なことも有り、定義と矛盾する内容で有っても、納得させられ易い.
③無内容または、反証不可能な言説
 「誰もが納得する言い回し」 や、「それっぽい単語」 の多用により、何となく常識的な言説が有るが、何を言っているのか解らず無内容なものも多い.
④比喩と例え話に支えられた主張
 比喩, 例え話, 格言, ことわざ 等は、「心にかなう」, 「気分に合う」ため、納得し易いが、正反対の格言, ことわざ はいくらでも有る. これらを主な論拠とする主張に対しては、その正反対の話を自分で考えてみる. 
⑤難解な理論の不安定な結論
 "海外で話題" 等の 「新しい理論」 は非常に魅力的だが、長年使われてきた普遍的な理論と比較して、新しい理論ほど適用範囲が限定される. 判断方法は、その新理論の前提がしっかり説明されているかを調べること.

4.Summary : 自分が正しいと感じている事を自ら否定的に見る事は心地の良いものではないが、単純化した「お決まりの手順」(上記の5つのチェック・ポイント)を用いて、不要なものを切り捨てることは、それほど抵抗なく出来る.


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「文明の衝突と21世紀の日本」 ・・・ 東アジアの動き [仕事]


文明の衝突と21世紀の日本 / サミュエル・ハンチントン (著) 鈴木 主税 (翻訳)
1.My Review Rank : ★★★★☆ + 世界政治の基礎
2.Published Data : ¥693, 205Page,集英社,’00/01
3.Review Point : 本書は以下の3部からなるが、まずは、日本に関する①の「21世紀における日本の選択」 を読んで下さい(ヴォリュームは本書の約1/4).

 ① 「21世紀における日本の選択-世界政治の再編成」 ・・・ 1998年12月 東京での講演.
 ② 「孤独な超大国-パワーの新たな展開」 ・・・ 1999年3-4月 「フォーリン・アフェアーズ」誌 掲載論文.
 ③ 「文明の衝突-多極・多文明的な世界」 ・・・ 同名の単行本(「文明の衝突」1993年 夏)の解説版.

 ①「21世紀における日本の選択」のポイントは以下.
 1)21世紀初頭の世界政治について
 (1)文明による国の類別
 冷戦時代はイデオロギー(自由民主主義, 共産主義, 独裁主義(第3世界))により国が分けられていたが、現在、国々を類別するものは「文明」 である.
 文明は、西欧文明, 東方正教会文明, 中華文明, 日本文明, イスラム文明, ヒンドゥー文明, ラテン・アメリカ文明, アフリカ文明(存在すると考えた場合)の8つに分けられる(日本が独立した文明で有る点がポイント).
 (2)一極・多極化
 冷戦時代の二極化から、現在は一極・多極化(uni-multipolar) している.
 一極とは米国、多極は地域的な大国(独仏, ロシア, 中国, 日本(潜在的に) , インド, インドネシア, イラン, イスラエル, ナイジェリア, 南アフリカ, ブラジル)を示す.

 2)日本の特質
 (1)孤立 : 上記の他の文明には複数の国が含まれるが、日本文明は日本国と一致しており、文化・文明の観点から孤立している. 共通の文化を分け合っている国々は、信頼し合い、容易に協力し合い、互いに支援を与える.
 (2)非西欧 : 近代化に成功した非西欧国家だが、西欧化しなかった. 日本と米国とを対比すると、集団主義⇔個人主義, 階級制⇔平等主義, 権威⇔自由, 血族関係⇔契約, 恥⇔罪,義務⇔権利, 排他主義⇔普遍主義, 協調⇔競争, 同質性⇔異質性. 
 (3)無革命 : 社会を引き裂く様な苦しみ・流血を伴う革命が無かったため、伝統的な文化の統一性を維持しながら、高度に近代的な社会を築いた.
 (4)独立 : 上記の孤立に関連して、他国の支援を期待出来ないが、自国の権益を追求出来る(米国からは搾取されていると思うが).
 (5)追随 : 新興戦力への対応策には、追随(バンドワゴニング)と、均衡(バランシング)とが有るが、日本は過去から追随戦略を採ってきた.

4.Summary : 今後、注目されるのは、日本と中国との関係だが、今後、中国が東アジアの支配的な立場を獲得する場合、上記の「追随戦略」から、また、以下の様な日本人の特質から、今後、東アジアで米国の役割が小さくなり、中国が支配的な立場を獲得する場合、日本は中国に対して友好的な反応を示す と予想される.

 「不可抗力を受入れ、道徳的に優れていると思われるものと協力するのが速やかだ. そして、道徳的に不確かな、力の衰え始めた覇権国からの横暴な態度を非難するのも一番早い」.


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「ニュー・リッチの世界」 ・・・ 富裕層とは何か? [仕事]


日本の新・富裕層 ニュー・リッチの世界 / 臼井 宥文
1.My Review Rank : ★★★★★ + 富裕層の役割
2.Published Data : ¥1000, 319Page,光文社,’06/11
3.Review Point : メリルリンチ証券の年次レポートによると、日本のミリオネア(金融資産100万㌦(約1億2000万円)以上)の数は128万人(日本人の百人に一人!(約50世帯に一人))で、全世界の17%を占める.

 本書の主旨は以下.
 現在の「格差社会議論」は、「下流=負け組」救済の社会福祉的な傾向が強く、「富裕層」(上流=勝ち組)への関心は極めて低い. しかし、「富裕層」は、 「真の富裕層」 (尊敬されるお金持ち)へと成長し、様々な面(社会の管財人, 文化・価値観の創出 等)で社会へ貢献する社会的責任が有る. そこで、「富裕層ビジネス」では、まずは海外の富裕層向サービスで費やされていたおカネを日本で上手に使ってもらうことを目的とし、「富裕層」の成長, 日本の発展に資する.

< 富裕層のニーズ >
 ①資産防衛 Defense of Assets
 海外では、何世代にもわたり蓄積されている 資産防衛・節税ノウハウ(日本で、資産が蓄積されたのは主に戦後で、「富裕層」もせいぜい2世代目と若い).  最終的手段はPT(Perpetual Traveler, 永遠の旅行者).
 ②教育 Education
  教育は、次世代の資産形形成に確実に寄与する"投資" .
 ③エンターテイメント Entertainment
 特に、典型的なものは、グルメ, バカンス, 高級ブランド・ショッピング.
 ④アンチ・エージング Anti-aging
 富豪の最後の望みは 「永遠の命」. スイスの Clinic La Prairie が有名とのこと.
 ⑤セキュリティ Security
 日本の郊外にも、米国の様な「ゲーティッド・コミュニティ(Gated community)」が作られようとしている(新日鐵都市開発の 「さくらが丘Isaac日吉」 等). 全米では5万を超えている.

 ②の教育は、特に章立てされ詳しく説明されているが、子供を持つ親としては、切実な内容. 日本の教育の限界を感じる. また、具体的に富裕層向けビジネスが14例 紹介されているが、一般のビジネスと全く異なることが解る.

4.Summary : 日本には、富裕層は数多くいても、富裕層向けサービスを創れない日本企業の壁(文化)から、彼らにモノを売れる人間が居ない.
 その中で、著者は1999年に富裕層をターゲットとしたマーケティング会社を設立した. 著者の富裕層向けWeb siteは、「SEVEN HILLS」.
 ここで、著者がターゲットとする富裕層は、 「年収5000万円以上, 金融資産1億円以上」 のニュー・リッチ(IT産業を中核とする起業・上場で有る日突然数億円単位で金持ちになった人).
 しかし、下記分類(野村総研)で、①スーパー・リッチは、お金が有り過ぎて価値観が全く異なるためビジネスにならないため、ビジネスの対象となるのは②の「富裕層」.

< 富裕層マーケットの資産額別分類 >
 ①金融純資産5億円以上:超富裕層(スーパー・リッチ)5.2万世帯(0.1%),46兆円(4.0%)
 ②金融純資産1億円以上:富裕層81.3万世帯(1.7%),167兆円(14.5%)
 ③金融純資産5000万円以上:準富裕層280.4万世帯(5.7%),182兆円(15.8%)
 ④金融純資産3000万円以上:アッパー・マス層701.9万世帯(14.3%),246兆円(21.3%)
 ⑤金融純資産3000万円未満:マス層3831.5万世帯(78.2%),512兆円(44.4%)

 上記のニュー・リッチは以下の様に分類されている.
 ①プロフェッショナル・リッチ(医師,弁護士,芸術家,スポーツ選手 等 自分の才能・能力で富を築いた人) / ②勝ち組リッチ(ITブーム,起業ブームで成功した人) / ③ストック・リッチ(ストックオプション等でリッチになった人) / ④リタイアメント・リッチ(蓄財,退職金,企業年金で豊な暮らしをする人) / ⑤ラグジュアリー・リッチ(上記の定義ギリギリだが一点豪華主義的な人) / ⑥ガッツ・リッチ(がんばってお金持ちになった人).


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「You Tube革命」 ・・・ 映像の流通革命 [仕事]


You Tube革命 ~ テレビ業界を震撼させる「動画共有」ビジネスのゆくえ / 神田 敏晶
1.My Review Rank : ★★★★☆ + テレビCMビジネス崩壊
2.Published Data : ¥735, 176Page,ソフトバンク・クリエイティブ,’06/12
3.Review Point : 今年の最後の記事は、来年更に注目を集めるであろう YouTube (動画共有サイト)について. YouTube は既得権にしがみ付いている日本のテレビ業界 及び、音楽業界のビジネス・モデルを破壊し、本当に息の根を止めるかもしれない.

<驚異的なアクセス数> 米国の調査会社(コムスコア・メディアメトリクス)の発表によると、’06年7月の世界の YouTube のユニーク・ユーザは6341万人(うち米国内1608万人),1日当り620万人が訪れアクセス数は全Webサイト中17位. YouTubeでのVideo閲覧数は世界全体で29億7500万回に達する(1億回/日). 英語版のみのサービスで有りながら、日本からも月間734万人(06年09月)がYouTubeへアクセスしている. この圧倒的なアクセスが YouTube の強み.

1) YouTube がブレイクした理由と環境
 YouTube の人気の理由は、 「自分の見たい動画を検索 し、何時でも、何処でも容易に 視聴するのみでなく、投稿 する事を可能にした」 ため.

 ①情報検索の利便性 : Google等で情報を検索する事が浸透(検索の対象がテキストから映像へ変化, 情報とは一部の権威者に属するものでなく、InterNet上で共有・活用して意味が有る).
 ②情報発信の魅力 : Blogの普及により、自ら情報発信する楽しさ に多くの人が気付いた.
 ③高速通信の普及ブロード・バンドの普及により、大容量の動画をハンドリングする環境が整った(その他、ハード・ディスクの価格破壊やパソコン・動画処理ソフトの進歩も含む). YouTube へ日本から多量にアクセスが有るのは、日本のブロードバンド環境が進んでいるため.
 ④動画流通の硬直性 : 著作権を盾にテレビ番組等は、厳しく保護されてきた. 視聴者は、番組を見るために、放送される時間にテレビの前に居る事を強いられる. これが非常に理不尽な事に皆が気付いた(ビデオ録画は、あくまでも個人での保存が主目的).

2) 日米のYouTube に対する反応の差
 06年10月20日、日本の民法各社,NHK,JASRAC(日本音楽著作権協会)が、 YouTube に対して約3万件の違法な投稿の削除を依頼した(日本の音楽著作権団体は、いまだに、売れ行き不振の原因はInterNetでの違法なファイル・コピーに有ると考えている). これに対して、米国では、 YouTube との共生の動きが活発となっている.

 ・米NBC : 06年02月 自社の人気番組の削除を YouTube に申し立てたが、06年06月には、一転して YouTube との協力関係を発表した.NBCの夜の人気番組は「 YouTube コーナー」とのこと. 逆に、 YouTube 上に「NBCチャンネル」を設けプロモーションを予定する.
 ・ワーナー・ブラザーズ :  YouTube と提携し、同レーベルが権利を保有する音楽ビデオを無料で配信出来る様にした.
 ・UMG : 所属アーティストの作品をユーザが YouTube へ投稿出来る様にすると発表.
 ・SONY BMG : ストリーミング広告での提携を目指す.
 ・米ワーナー・ミュージック :  YouTube 上に「パリス・ヒルトン・チャンネル」を開設.   等々.

 以下の著者の言葉は、惰眠を貪っている日本の放送業界に対する警鐘.
 「動画共有サービス」は、ユーザ・ニーズが有るから流行する.ただ違法コピーを保存する事とは全く異なり、共有される事で新たな視聴者を獲得出来る.今まで視聴されなかった番組に再度光が当たる. テレビ局は、今戦略を誤ると2011年のアナログ放送停止の前に破綻してしまう可能性も有る.

4.Summary
 :
 
1) YouTube の特徴
 Googleは、16億5000万㌦(約1980億円, 06年11月13日手続き完了)の破格の価格で YouTube を買収した. 現在、YouTube が他の動画共有サイトに対して差別化している特徴は以下. 一言で言えば、 「ユーザ・フレンドリーなコミュニケーション機能」.

 ①投稿機能 : 無料大容量(容量100MB,制限時間10分)の動画をアップ・ロード可能.
 ②タグ機能 : 「タグ」(映像に関連したキーワード)により、映像の検索が可能(ユーザが主観でタグを付けてコンテンツを分類する事を、Folk「民衆」とTaxonomy「分類学」との造語でFolxonomyと呼ぶ). 逆に言えば、検索出来ない映像は、誰にも存在を気付かれない無価値なもの.
 ③共有機能 : YouTube の気に入った動画のURLをMailで紹介出来る「Share」機能, SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)的に仲間と動画を共有出来る「My Groups」機能, 動画によるトラック・バック機能 等 コミュニケーション機能が豊富.
 ④ブログ・スフィア機能 : YouTube の動画を手軽に自分のWebサイトやBlogに映像を貼り付けることが可能. 影響力の有るBlogger(アルファ・ブロガー)が YouTube の画像を自分の貼り付けてBlogに貼り付けて、 YouTube がブレイクした.
 ⑤控えめな宣伝 : 目当ての動画を見る前に強制的にCMを見せられること(プリロールCM)やバナー広告の有るTopPageへ強制リンクさせられることがなく、ユーザの心情・利便性を優先している.
 ⑥おおらかな著作権保護対応動画を削除するタイミングとバランスが絶妙のため人気を支えた(当初はスタッフ不足で削除する暇が無かった).

2)ネガティブな動画を好む日本人
 日本で、 YouTube が広く知れ渡ったのは、極楽とんぼ山本圭一 の少女への暴行容疑に対して、相方の加藤浩次が涙ながらに謝罪したテレビ番組が YouTube へアップされ(約2分の動画)、アクセスが殺到したため. 現在も、 YouTube で「極楽とんぼ」と検索すると、当動画やトラック・バックの動画も見れる.


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「労働ダンピング」 ・・・ 労働は商品ではない [仕事]


労働ダンピング 雇用の多様化の果てに / 中野 麻美
1.My Review Rank : ★★★★☆ + 今後、正規雇用はどうなるか
2.Published Data : ¥819, 237Page,岩波書店,’06/10
3.Review Point : 昨日(12月16日(土))の日本経済新聞5面に、「労働時間規制の除外 年収800~900万円以上に絞る. 厚労省が最終調整」と出た (まずは、"ほっ"とした方も多いのでは).
 分かりやすく言うと、最近、週刊誌上でも騒がれている 「ホワイト・カラーの残業代が無くなる!」 のこと. 年収800~900万円の民間雇用者は307万人5%程度のため、影響は限定された形で制度はスタートする.
 *制度の正式名称は、労働時間規制の適用除外制度(日本版 ホワイトカラー・エグゼンプション (White Color Exception)).
 更に、記事では、「雇用の金銭解決見送り」と有り、「正社員と言えども、年収の2倍の解決金を積めば自由に解雇出来る」 ことは見送られた.

 本書での 「非正規雇用(パート・派遣労働者)の実態」「非正規雇用の正規雇用(正社員)への影響」 を見ると、ホワイトカラーの雇用のダンピングが今後着実に進むことは確実. 自分の労働条件がどの様に変化するか考えましょう.

1) 派遣労働に関する法制定・改定 ・・・ 制度の規制緩和は止められない.
 「労働者派遣」は、20年前の1986年 「労働者派遣法」により合法化された. ポイントは、派遣労働者の労働条件が、派遣元と派遣先との商取引契約の「労働者派遣契約」で決められる点.
 この制度により 「労働が商品となり、ダンピングの対象となった」 .(例えば、会社が正社員の採用面接で、「あなたは年収いくらで働いてくれますか」と尋ね、安い人から採用する事と同じ)
 同じ1986年には、「男女雇用機会均等法」の制定 及び、「労働基準法」の大巾な規制緩和も 「労働者派遣法」を補完した.

 「労働者派遣法」は、1986年の制定時には、派遣対象が専門性を必要とする26業種等に限定されていたが(ポジティブ・リスト方式)、1999年には、派遣を禁止する業種以外は自由となり(ネガティブ・リスト方式)、派遣可能な業種が大巾に拡大した(当時「派遣対象の自由化」と騒がれた).
 更に、2003年には、派遣可能な期間が延長された(1年⇒3年). 一旦、制度が制定されると、緩和は止められない.

2) 非正規雇用の特徴 ・・・ 何故ダンピングされるのか.
 非正規雇用は、以下の3つの特徴により、ダンピングされ易い.
 ①短時間労働性
 元々、仕事と家庭との両立しようとする女性の"パート労働"の賃金水準が契約社員,派遣社員にも適用され、家計の補助的賃金と見なされている.
 ②雇用の有期性
 過去の働きの査定の場として、契約更改時がダンピングの絶好の機会となっている.
 ③雇用の間接性
 派遣労働者の就業条件を決める「労働者派遣契約」は、商取引契約の性格を有し、「労働法」による競争抑制的な規制ではなく、 独占禁止法」による競争促進的な規制が働く.
 良質なサービスを低料金で提供すれば、消費者=派遣先の利益になるため、競争入札の様な取引が促進され、派遣労働者の労働条件に影響する.

4.Summary : 非正規雇用の拡大は、今後、正規雇用に大きく影響する.
1)非正規雇用と正規雇用との競合 ・・・ 正規雇用の融解が始まる.
 低コストでダンピング可能、「労働法」に基づく権利を保障する必要のない非正規雇用に対し、正規雇用の正社員は明らかに「高すぎる」.
 昇給含みの年功賃金や定年までの雇用を保証しなければならない正規雇用は、将来的に大きな重圧となる. 正社員は、 「人件費分だけ働いているか」 が、常にシビアに問われ、生き残るためには、自らを非正規雇用と差別化出来なければならない.
 現在、成果主義的な賃金制度が企業で導入されているものの、正規雇用の労働条件を大巾に変えるものとして、経済界の強い要望で、上述の「労働時間規制の適用除外制度」 及び、 「雇用の金銭解決制度」が導入されようとしている.

2)米国のホワイトカラー・エグゼンプション ・・・ 日本もここまで緩和される.
 労働時間規制の除外は、報酬ベース, 報酬水準, 職務 で決められる.
 直近の規制緩和は2004年に実施され、報酬水準は、週給455㌦(単純に52週/年, 120円/㌦を掛けると、284万円/年)、職務は、管理職のみでなく、現場のリーダクラス, 会計・庶務の担当者まで拡大されている.
 "日本版"ホワイトカラー・エグゼンプションで、日本の経済界が主張していた年収400万円は、非常に低いと感じたが、米国の基準から来ていると推定される.

 著者は現在、NPO派遣労働ネットワーク(派遣労働者のための情報提供や相談等の活動)の理事長の立場のため、派遣労働の実態に詳しく、特に第1章の「いま何が起きているのか」での話は生々しい.

 巻末には、相談窓口が紹介されている(参考として).
 ①都道府県労働局
 「労働者派遣法」, 「雇用機会均等法」, 「パート法」 等に基づく、助言・指導・勧告を求めたり、紛争処理の申立て・相談の窓口となる(例:東京03-3814-5312).
 ②日本労働弁護団相談窓口
 曜日・時間が限定されるが、専門の弁護士が相談を受付け. 日本労働弁護団03-3251-5363
 ③NPO法人 派遣労働ネットワーク
 相談窓口は常設. TEL:03-5338-1266, サイトはこちら.
 ④日本司法支援センタ(法テラス)
 資力に乏しい人に、法律問題を解決するため法律扶助を行う. サイトはこちら.


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「中国大国の虚実」 ・・・ 多角的な切り口 [仕事]


中国大国の虚実 / 日本経済新聞社 編
1.My Review Rank : ★☆☆☆☆ +
2.Published Data : ¥680, 248Page,日本経済新聞社,’06/09
3.Review Point : 日経新聞に連載されていた 「第四の極 中国」 (2005年3月~2006年5月)等を中心に中国関連記事を編集・追記したもの. 中国に関する切り口に一通り触れてある.

 日本, 欧州, 米国に次ぐ、第四の極として、国際社会に関わる中国は、その影響力も巨大となった(世界の全貿易に占める割合は、中国は6.9%で、12.8%の米国に次ぐ第二位となり、5.4%の日本を抜き去った(2005年)).
 それと共にリスクも巨大になっているが、その中でも 今後の「人民元政策」については、特に注目される.
 2005年7月に人民元の切上げが実行されたが、切上げ率は2%と少なく、米国の貿易赤字の1/4を占める対中国の赤字の縮小には焼け石に水. しかし、1985年のプラザ合意で、日本に対し急激な円高を要求した頃とは異なり、米国も身動きが取れない2つのリスクが有る.
①中国の不良債権問題
 人民元の大巾切上げで中国内の輸出産業が傾き、不良債権問題が顕在化し、中国経済が不安定化する. その影響がアジア経済, 世界経済に飛び火する可能性が有る.
②中国保有の米国債
 中国は日本に次ぐ世界第二の米国債保有国となっており、ドル安を強要すれば、米国債の購入量を 減らす或いは、売却するとの行動に移るとドル急落や米長期金利高騰の可能性が有る.

 その他の内容は、米中の覇権争い, 人民元vsドルの通貨盟主争い, 社会資本整備の遅れ, 外交戦略(アジア), 環境と成長との両立 等々.
4.Summary : 巻末の「おわりに」に今後の中国の主な「政治日程」が有る. 党大会は5年毎, 台湾総統選挙は4年毎. 直近のトピックスはやはり、北京五輪と上海万博.
2007年 第17回党大会(秋)
2008年 台湾総統選挙(春), 北京五輪(8月)
2009年 天安門事件20周年(6月), 建国60周年(10月)
2010年 上海万博
2011年 共産党創立90周年(7月)
2012年 第18回党大会, 台湾総統選挙(春)
2013年
2014年
2015年 反ファシスト・抗日戦争勝利70周年(8月)
2016年 台湾総統選挙(春)
2017年 第19回党大会
2018年
2019年 天安門事件30周年(6月), 建国70周年(10月)
2020年 台湾総統選挙(春), 抗日戦争勝利75周年(8月)
2021年 共産党創立百周年(7月)
2022年 第20回党大会
2023年
2024年 有人宇宙船の月面着陸, 台湾総統選挙(春)


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「ニッケル・アンド・ダイムド」 ・・・ 富裕層と働く貧困層 [仕事]


ニッケル・アンド・ダイムド / バーバラ・エーレンライク
1.My Review Rank : ★★★☆☆ + 「2極化」の実態
2.Published Data : ¥1890, 295Page,東洋経済新報社,’06/07
3.Review Point : 金融広報中央委員会が毎年発表している「家計の金融資産に関する世論調査」によれば、 無貯蓄世帯 (金融資産を保有していない)は、2005年11月発表では 23.8%に達した(約1/4!).
 この結果に対して、東京学芸大学教育学部と日本経済研究センターが、 「どのような人々が無貯蓄世帯化しているのか」 で考察を加えている(データは2003年と古いが).
 ここでは、無貯蓄化の因子して以下の8点を検証しているが、結論は以下.

「失業状態と無貯蓄化には関係が無く、むしろ就業世帯で低所得の世帯に関係が深い (ここが大きなポイント) . また、扶養人数が多い事なども無貯蓄世帯化に関係している (パラサイト・シングルの影響?) .その他の因子との明確な相関はない」.
 ①高所得者回答拒否 (回答拒否をするのは逆に貧困層か?)
 ②将来の保証所得増, 教育投資 (将来への投資を優先する層を推定)
 ③年金依存 (年金を使い切る生活(モラル・ハザード))
 ④現金化 (低金利のため、現金を所有する動き)
 ⑤生活保護 (生活保護を受けるため無貯蓄を装う)
 ⑥失業・所得減 (所得減の傾向有るが、失業とは無関係)
 ⑦扶養者増 (パラサイト・シングルの影響)
 ⑧住宅ローン返済圧力 (ローンを組む程度の計画性を持つ)

 本書は、ジャーナリストが自ら低賃金の仕事に身を置き、レポートしたもの(選択した職業は、「格安ホテルのファミリー・レストランのウェイトレス」,「有名チェーン店のウェイトレス」, 「ホテルの客室清掃係」, 「老人ホームでの食事介助」, 「家庭のクリーニング・サービス」, 「スーパー(ウォルマート)の店員」 の6種類).
 各職業共に低賃金による厳しい生活の実態が有るが、「2極化」でアメリカの後を追う 日本の無貯蓄世帯(就業世帯で低所得の世帯)の"現在" 或いは、"将来の姿"が本書の中にある.
4.Summary : 著者は、本書の最後に実感として以下の様に書いているが、これがまさに「2極化」の実態かもしれない.

 「一時的に貧困層に属し、元の中流の上の階層に戻ったとたん、私が落ちたウサギの穴は、たちまち、そして完璧にその口を閉じてしまった. 富裕層が貧困層と場所やサービスを共有する機会が減る等により、経済的に上位にある者の目には、貧しい人々の姿は殆ど映らない仕組みになっている.
 一昔前までは、失業が貧困の原因で有ったが、現在は、働く貧困層(Working Poor)が問題にも関わらず、政治もマスメディアもあえて問題を明らかにしない.」

 書名の「ニッケル・アンド・ダイムド」の ニッケルは米国の5セント硬貨, ダイムは10セント硬貨. 両者を繋ぎ受動態で、「小額の金銭しか与えられない」の意味. 2001年に米国で出版され今日までの売上げが100万部を超えたミリオンセラー. 重い内容だが、ウェイトレス, 掃除婦, 店員の仕事をユーモアも入れて上手く表現している. 

 日本での最低賃金は都道府県により、若干異なるが、ほぼ時給650円(週5日, 一日8時間労働では、年140万円にしかならない). これは、本書での仕事の時給6~8㌦よりも低く抑えられており、日本での生活の方が厳しいかもしれない.


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「若者はなぜ3年で辞めるのか」 ・・・ 実力主義と年功序列 [仕事]


若者は なぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 / 城 繁幸
1.My Review Rank : ★★★☆☆ +
2.Published Data : ¥735, 231Page,光文社,’06/09
3.Review Point : 本日の日経新聞の1面に、「大学新卒フリーター・ニート 今春9.9万人. ピークの3分の2」 とある(ピークは、2003年の14.8万人). また、"団塊の世代" の退職に備え、「07春に入社予定の大卒の内定人数は前年比13.3%増. 今後も現象傾向が続く」 とも有る.

 いかにも目出度い記事だが、問題は、フリーター・ニートに既になってしまった人の方に有る(日経新聞のグラフを見ると延べで 約150万人).
 企業の採用強化の対象となっているのは、あくまでも 「新卒者」 のみで、就職氷河期(特に1997~2002年)に就職出来ずに、派遣社員, フリーター 或いは、ニートとなった 「既卒者」 は全く対象となっていない(ここで、 「既卒者」 とは、「正社員の内定が無いままに卒業してしまったもの」).

 余りにも理不尽な話だが(中途採用で年齢が上でも、新人と同列に処遇すれば良いのではと誰もが考える)、原因は日本企業の人事制度に有る.
 「多くの日本企業が人事制度に導入している "成果主義" はあくまで枝葉に過ぎず、従来からの "年功序列" が依然として大切な根幹で有り、キャリアパスには、"一本のレール"しかない.」

 依然として、報酬は、年功序列をベースに、業種, 会社の規模により、入社何年、何歳で、幾らと相場が決まっている(成果主義により多少の差は有るが).
 この人事システムを堅持し、既得権を守るために、会社と労働組合とは、評価のルールから外れる 「既卒者」 には、頑なに門戸を閉ざしている(文系の大学院卒, 理系の博士号に非常に冷たいのも同様の理由).
 つまり、 「新卒⇒正社員のレールに一度でも乗り遅れると、二度と正社員のレールに乗れない」 のが現状の日本のシステム.

 一方、書名の「若者が3年で会社を辞める」については、2000年の調査では、本人の努力 或いは、運良く "新卒⇒正社員" となっても、大卒で3年以内に36.5%が会社を辞めている.
 これにも、上記の年功序列ベースの人事制度が影響している.

 従来の日本企業の経営は、シェア優先で、会社を拡大させることで、ポストを増やし、年功序列・終身雇用システムを維持して来た.
 しかし、現在、多くの会社では、都合の良く、成果主義を導入し、定期昇給もなくなっているため、系列(役職)が上がらない限り報酬も上がらない.
 一方、効率優先で、会社の規模の拡大が止まり(一部のグローバルな企業を除き)、更に、組織のフラット化により、ボストに限りが有る中、30~40代の中堅層以降新人も含めて、ポスト待ちの状態となっている(著者の表現では、「ポストの前に長蛇の列をなしている」).
 一部の人間は、順調にレールを進んで若い間の働きに見合う報酬を将来受けるが、半数以上の人間はポストに付くことなく、頑張りに見合う報酬を受けることなく、働き損で終わる.
 新入社員も、上のポストに居座る先輩達を見て、「彼らを食わせるために、一生ただ働きを続けるのか」と絶望感を抱き辞めてゆく.

4.Summary : 3割が辞めてゆく理由のもう一つの理由は、採用方法の変化にある.
 従来は、体育会系の「なんでもやります」 が重宝され大量に均質な人材が採用されてきたが、バブル崩壊後は、超厳選採用に変化した. 就職氷河期の厳選採用に耐えた 「仕事に対する意識が高くなり過ぎ」 ている新人は、年功序列の会社で与えられる丁稚奉公の様な仕事とのミスマッチにより、「わがまま」な発言もするし、「忍耐不足」の様に辞めてしまう.

 一方、30~40代の「心の病」の原因は、ポスト待ちで、一生下働きで終わる可能性が有ることに対する、「モチベーションの消失」と筆者は指摘している.
 キャリアパスのレールが一本しかない現状の人事制度から、一部企業で導入が試みられているキャリアパスを複線化することを提案している.

 城 繁幸 著書の光文社ペーパー・バックス 「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」 もかなり売れた、こちらの方が、著者が勤めていた富士通を内部から見ている点で、具体的で辛辣な内容.
 著者の本は、視点が的確で、面白い素材が含まれているが、全体の内容を要約して表現・理解するのには苦労します.


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「すべての道はローマに通ず」 ・・・ 社会資本の考え方 [仕事]


ローマ人の物語 すべての道はローマに通ず / 塩野 七生
1.My Review Rank : ★★★☆☆ + 合理的
2.Published Data : ¥500, 238Page,新潮社,’06/09
3.Review Point : 本書は、全15巻予定の 「ローマ人の物語」 の 第10巻 の文庫本が出た(文庫本では、 第27巻, 28巻 ).
 「ローマ人の物語」の中で、第10巻は "ローマ人のインフラストラクチャー" に関して独立した巻で、この2冊だけでも読めるため紹介します.

 文庫本の第27巻, 28巻では 「街道」, 「橋」, 「水道」, 「医療」, 「教育」 の5分野について記述しているが、特に「街道」は、単純なため現代から見ても考え方は古くなく、また同時期に国家の大事業として建設された中国の万里の長城とも対比され面白い.
 万里の長城は、前3世紀の秦の始皇帝から16世紀の明の間を合計すると全長5千キロメートルに達する. 一方、ローマ人の街道は、前3世紀から後2世紀の間に幹線道で8万キロメートル、支線を加えると15万キロメートルに及ぶ.
 著者曰く、 「インフラストラクチャーほど、それを成した民族の資質を表わすものはない」 .

 両者は、形態は異なるが、共に "自国の防衛" のために建設されている. 万里の長城は、異民族との往来を遮断する ことを目的としたが、ローマ人の街道は、逆に 自国内の人々の往来を促進する ことを目的とした.
 ローマ人が街道を自国の防衛と考えた理由は以下の2点で、制覇した地域の住民を ローマに同化 することを目的とした点が中国と異なる.
1)軍団の迅速な移動
 制覇した地域に軍隊が常駐するのでなく、何か事が起きた場合には、軍隊が迅速に移動出来る体制を選択した. 敗者の地域に常駐する軍隊により、敗者の自治権を取り上げることをしなかった
2)輸送量の増大・効率化
 人と物の流通量が増大すれば、街道周辺の住民の生活水準が向上し、制覇した地域の経済的な不満を抑制した.

 ローマ人は規格化した街道を、北はイギリス, 南はチュニジア, 西はスペイン, 東はギリシャにわたり整備した. 街道は、4m超の車道とその両側に3mの歩道を持ち、道巾は10m超となる. また、車道と歩道との間には排水溝を持ち、1~1.5mの深さで4層構造で排水にも考慮している. 
4.Summary : .ローマ人が考えたインフラストラクチャーは、ハード面では、街道, 橋, 港, 神殿, 公会堂, 広場, 劇場, 円形闘技場, 競技場, 公共浴場, 水道、 ソフト面では、安全保障, 治安, 税制, 医療, 教育, 郵便, 通貨 とのこと. この内上記の主要な5項目は本書で言及し、その他の項目は、「ローマ人の物語」を通じて言及されているとのこと.

 本書の巻頭 或いは、巻末の写真は美しく、特に、「アッピア街道」 及び、各国に残るローマ街道 等、2千年の歴史を感じる. また、内容の性格上、図形, イラスト, 地図が多く面白い. また、著者曰く、学問は、専門化, 細分化するため、「ローマ人のインフラストラクチャー」なる著作はなく、本書は果敢に挑戦した書とのこと.

 *7月以降、記事が飛び飛びになり誠に申し訳ありませんでした. 引越し後ようやく落ち着きましたので、今後 及び、過去の空白を埋めるべく作成致します.


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