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「検証バブル犯意なき過ち」 ・・・ ドキュメントとして [実用]


検証バブル-犯意なき過ち / 日本経済新聞社 (編集)
1.My Review Rank : ★★★☆☆ + バブルの集大成
2.Published Data : ¥700, 323Page,日本経済新聞社,’01/11
3.Review Point : バブルの発生から崩壊、それから長く続いた景気低迷. しかし、今では殆どの人が何が起こっていたのかを忘れてしまっている.
 しかし、今後、自分の身を守るためには、キチンと復習しておくべき事項(異常の中に身を置くと、麻痺してそれが正常だと感じる).
 本書は、宮沢喜一/大蔵省/日銀の生々しいやり取りを中心に、事実関係を淡々と整理している点でドキュメントとして興味深いが、我々の参考になるのは、今になって冷静に考えればバカの様なことを本気で信じていた点. いくつか上げると以下.
<NTT株>
 バブルを象徴するNTT株(87年2月上場)は、売出推定価格の47万円(野村総研, 海外の通信会社との比較) 或いは、73万円(野村證券, 話題性集めのため強気)を大きく越える119万円だった それでも応募者は1095万人に達し(競争率6倍)、大蔵省は巨額の売却収入を、証券会社は多額の手数料を得た.
 その後、NTT株は、87年5月に最高値312万円をつけ、個人投資家もキャピタルゲインの蜜の味を知った. しかし、92年8月には過去最低値45万円まで下落した(足元は約50万円).
 誰もが濡れ手に粟で儲かる様なおいしい話が有るはずがない.
<マンション購入>
 87年4月分譲の東京・江東区「スカイシティ南砂」(当時ものすごい話題になったらしい)は、259戸に対して、38500人が応募した(競争率149倍). マンションは確実に値上がりし、 くじに当たりさえすれば、数百万円の転売利益を確実に得られると皆が信じていた.
 「マンション購入は宝くじ購入と同じ感覚」 となっていた.しかし、その後の惨状はご存知の通り.
 その他、言われると思い出すが、今考えると全くバカなことだった事例が多くある. 同じ綴を踏まない様に注意しましょう.
4.Summary : 巻末の20ページにわたる 「検証バブル」関連年表」 と19ページの「プラザ合意後の日経平均と主な出来事」は、バブルを時系列に振り返る際に非常に便利. 文庫本で価格も安いし、一読して損はしないと思います.


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