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「食品の裏側-みんな大好き食品添加物」 ・・・ 食品添加物の光と影 [実用]


食品の裏側-みんな大好きな食品添加物 / 安部 司
1.My Review Rank : ★★☆☆☆ + 子供の味覚を守る
2.Published Data : ¥1470, 244Page,東洋経済新報社,’05/10
3.Review Point : この本を読んでから、コーヒーと一緒に出てくるミルクの小容器を観察する様になった(コーヒーはブラックのため、ミルクには興味がなかった). コーヒー用のミルクは、牛乳等から作られておらず、水,サラダ油,添加物のみで出来ている(これは小容器に表示はない(表示が免除されているため)). なるほど、商品名は、「コーヒー・フレッシュ」等で、いずれの商品名にも「ミルク」の言葉は入っていない .

 本書は、以下の2点から、食品に関する情報公開が必要と主張している. 今までの食品添加物の危険性のみを煽る本とは一線を引く.
 1)毎日、自分の体に入れる「食品」にも関わらず、どの様に作られ、どの様な添加物がどの様に使用されているのか我々は殆ど(或いは全く)知らない.
 2)我々は食品添加物により、既に、「安さ」, 「手軽さ」, 「便利さ」 を享受しており、食品添加物の危険性だけを騒いでも意味がない.

 本書で最も我が身に関係するのは、第5章 「食品添加物で子供たちの舌が壊れてゆく」. 本書では、特に子供の健康・味覚に悪影響を与える添加物として以下の2つを挙げている.
 ①たんぱく加水分解物
 様々な加工食品の味のベースは、食塩(精製塩)化学調味料 / たんぱく加水分解物 / 風味をつけるエキス類 の4つからなっている.
 ここで、たんぱく加水分解物は、非常に濃厚な強い味で、子供が好む味のため、インスタント・ラーメン, スナック菓子等に多量に使用されている. しかし、その非常に強い味のため、野菜や本来の天然だしなどを淡白な味を「おいしい」と思えなくなり、子供の味覚が麻痺してしまう.
 ②ブドウ糖果糖液糖
 ジュース, アイスクリーム等に大量に使用されている. さっぱりした甘みのため大量に使用され、血糖値を急激に上げる原因となる. これが、最近の小中学生の糖尿病・肥満の元凶となっている.
4.Summary : 本書は食品添加物と上手く付き合うために以下の5点を提案している. 日々の細かな配慮だが、意識するのと意識しないのでは大きな差が付くと思う.
 ①裏の表示を良く見て買う(食卓に無い様な名前には要注意).
 ②加工度の低い食品を買う(例えば、家で炊く米に対して、コンピニで買うおにぎりは添加物だらけ).
 ③知って食べる(1週間スパンで、利便性と手作りの手間とのバランスを考える).
 ④安いものだけに飛びつかない(安いものには理由が必ず有る. 殆どは食品添加物だらけ).
 ⑤素朴な疑問を持つ(なぜ安いか,なぜ萎びないか,なぜ綺麗な色か 等々).

 著者は、元々、食品添加物の専門商社に勤め、食品添加物を売り歩くセールスマン. 食品添加物の 「食品を長持ちさせる」, 「色形を美しく仕上げる」, 「品質を向上させる」, 「味を良くする」, 「コストを下げる」 等の効能を食品加工業者へ提案し、当時、食品添加物の神様と呼ばれ、常にトップ・セールスだったとのこと.
 しかし、自分の子供が自分の顧客の食品加工業者の添加物まみれミート・ボールを食べるのを見て退社し、食品添加物の情報公開のため、公演などを行っている.
 本書を読むとしばらくは食欲が減退するのでご注意.
 同様のジャンルの本としては、 「食べるな、危険!」 , 「新・食べるな、危険!」 , 「使うな、危険!」 が有るが、単に危険性を煽るのみでなく、付き合い方を提案している所が大きく異なる.


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